日本語版Firefox3.6のビルド方法
仕切り棒


ここにかかれてあることはすべて無保証です。
何らかの損害などが起きても当方では一切責任はとれません。
各自の自己責任にて判断・実行などしてください。



このページはSolaris10 x64/x86における
日本語版Firefox3.6.3のビルド方法について記述しています。
日本語版Frefox3.6.13のビルドは、
日本語版Firefox3.6.13のビルド方法をご覧ください。

Firefox 3.6.3 がリリースされましたので、
Solaris10 x64/x86上でソースからコンパイルしてみました。
ついでなのでバイナリの最適化を行い、
メニューも日本語化してみました。

Firefoxのビルドには、Mercurialやバージョン2.10以上のgtk+などが必要です。
詳しくは、Mozilla JapanのFrefox3.6システム要件をご覧ください。

Solaris10にインストールされているgtk+などは
Firefoxの必要システム要件を満たしていませんので、Firefoxをビルドする前に、
日本語版Firefox3.6をビルドするために必要なライブラリなどのインストール方法
を参考するなどして、ビルドに必要なライブラリなどをインストールしておいてください。
なお、必要なライブラリなどはすべて /usr/local にインストールされているものとして記述しています。

また、Firefoxのビルドはgcc(GNU Compiler Collection)でも行えますが、
ここでは、Sun Studio 12 のコンパイラを使用してビルドを行います。Sun Studio 12 は
http://developers.sun.com/sunstudio/ja/downloads/index.jsp
より入手することができますが、Solarisのメディアキットの中の「Developer Tools」に
Sun Studio 12 が収録されている場合があります。

また、Sun Studio 12のパッチも必要になる場合があります。パッチは
http://developers.sun.com/sunstudio/downloads/patches/index.jspl
より入手することができます。

以下にビルド前に必要な作業と、
今回コンパイルを行ったコンパイラのバージョン（パッチ番号）を示します。

※ 「%」は一般ユーザのプロンプト、「#」はrootのプロンプトを示します。
※ 実際のコマンドに%や#を入力する必要はありません。


% umask 022
% set path=( /usr/local/bin /usr/dt/bin /usr/openwin/bin /usr/bin \
/usr/ccs/bin /opt/SUNWspro/bin /usr/ucb /usr/sbin /usr/sfw/bin )
% setenv CC /opt/SUNWspro/bin/cc
% setenv CFLAGS "-fast -xc99=all"
% setenv CXX /opt/SUNWspro/bin/CC
% setenv CXXFLAGS -fast
% setenv F77 /opt/SUNWspro/bin/f77
% unsetenv LD_LIBRARY_PATH
% unsetenv LD_RUN_PATH
% unsetenv LD_LIBRARY_PATH_64
% unsetenv LD_RUN_PATH_64
% rehash
% /opt/SUNWspro/bin/cc -V
cc: Sun C 5.9 SunOS_i386 Patch 124868-12 2010/03/09
% /opt/SUNWspro/bin/CC -V
CC: Sun C++ 5.9 SunOS_i386 Patch 124864-21 2010/02/09

ライブラリなどのビルドの際に「-fast」オプションにより
CPUに対するバイナリの最適化を行います。
このため、コンパイル時間が多くかかることがあります。

最初に、Firefoxのビルドオプションの設定を行います。
ビルドを実行するユーザのホームディレクトリに「.mozconfig」ファイルを作成します。
内容は以下の通りですが、好みに合わせて変更してください。


ac_add_options --enable-application=browser
ac_add_options --enable-optimize
ac_add_options --disable-necko-wifi
ac_add_options --disable-tests
ac_add_options --disable-debug
ac_add_options --disable-crashreporter
ac_add_options --enable-ui-locale=ja
ac_add_options --with-l10n-base=../l10n
ac_add_options --enable-official-branding
ac_add_options --without-gnu-ld


Firefoxのソースを入手して展開します。


% mkdir firefox
% cd firefox
% wget http://releases.mozilla.org/pub/mozilla.org/firefox/releases/
3.6.3/source/firefox-3.6.3.source.tar.bz2
↑実際には1行で入力してください
% bzip2 -cd firefox-3.6.3.source.tar.bz2 | gtar xvf -


日本語化のために必要なファイルをダウンロードします。
また、設定ファイルなどに必要な修正を行います。


% ls
mozilla-1.9.2
% wget http://hg.mozilla.org/releases/l10n-mozilla-1.9.2/ja/archive/tip.tar.bz2
% bzip2 -cd tip.tar.bz2 | gtar xvf -
% mkdir l10n
% mv ja-* l10n/ja
% cd mozilla-1.9.2/config
% mv autoconf.mk.in autoconf.mk.in.org
% sed -e 's/@MOZ_CAIRO_LIBS@/-L\/usr\/openwin\/sfw\/lib -R\/usr\/openwin\/sfw\/lib (半角スペースあり)
 -L\/usr\/local\/lib -R\/usr\/local\/lib @MOZ_CAIRO_LIBS@/'  (半角スペースあり)
 -e 's/@CAIRO_FT_CFLAGS@/-I\/usr\/local\/include -I\/usr\/local\/include\/freetype2 (半角スペースあり)
 @CAIRO_FT_CFLAGS@/' autoconf.mk.in.org > autoconf.mk.in
↑実際には1行で入力してください
% cd ../js/ctypes/libffi
% mv configure configure.org
% sed 's/ac_ct_CC=$CC/ac_ct_CC=\/opt\/SUNWspro\/bin\/cc/' < configure.org > configure
% chmod 755 configure
% mv Makefile.in Makefile.in.org
% sed 's/AM_CFLAGS = -Wall -g -fexceptions/AM_CFLAGS = -fast/' < Makefile.in.org > Makefile.in
% cd ../../../storage/src
% mv Makefile.in Makefile.in.org
% sed 's/$(SQLITE_CFLAGS)/$(SQLITE_CFLAGS) -features=tmplrefstatic/' < Makefile.in.org > Makefile.in
% cd ../..
% mv -f configure configure.org
% sed -e '22509s/ac_try="$ac_cpp/ac_try="$ac_cpp -I\/usr\/local\/include (半角スペースあり)
  -I\/usr\/local\/include\/freetype2/' configure.org > configure
↑実際には1行で入力してください
% chmod 755 configure


それではいよいよビルドを行います。
環境にもよりますが、ビルドには数十分から数時間かかりますので
気長に待ちましょう。


% gmake -f client.mk build_all


無事ビルドが終了したら、インストールアーカイブを作成します。


% gmake package
% cd dist
% ls firefox-3.6.3.ja.solaris2.10-i386.tar.bz2
firefox-3.6.3.ja.solaris2.10-i386.tar.bz2

以上で、日本語版Firefox3が完成しました。
あとはインストールしたいディレクトリで、
firefox-3.6.3.ja.solaris2.10-i386.tar.bz2
を展開してください。
たとえば、/usr/local に展開する場合は以下のように入力します。
展開後、Firefoxを起動してみます。


% su
# cp firefox-3.6.3.ja.solaris2.10-i386.tar.bz2 /usr/local
# cd /usr/local
# bzip2 -cd firefox-3.6.3.ja.solaris2.10-i386.tar.bz2 | /usr/sfw/bin/gtar xvf -
# rm firefox-3.6.3.ja.solaris2.10-i386.tar.bz2
# exit
% cd /usr/local/firefox
% ./firefox


以上でSolaris10 x64/x86上に、日本語版Firefoxがインストールされました。

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